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テレビ朝日系列で放映されている長寿アニメ『ドラえもん』は、2008年8月29日に原作の中でも有名な作品「ドラえもんに休日を」のリメイク版を放送した。この日に放映したのは「世界をぬりかえよう」「ドラえもんに休日を!!」の2作品である。
「世界をぬりかえよう」は、のび太がドラえもんの秘密道具を悪用して悪戯を重ねるが、道具が暴走して、のび太の手に負えなくなってしまい、最後には酷い目に遭うという王道的なストーリーである。
この作品で登場する秘密道具「色いろカラーパレットと筆」は、どのようなものでも任意の色に塗り替えられるもので、カラー表現が可能なアニメならではの作品である。一筆で広範囲の色彩を鮮やかに塗り替えており、絵的に綺麗な作品に仕上がっている。
次の「ドラえもんに休日を」は原作マンガでも屈指の感動作である。大山のぶ代がドラえもんの声優をしていた頃にもアニメ放送されている。声優が水田わさび(ドラえもん役)らになってからの有名作品のリメイクとして注目されたが、基本的に原作の流れに忠実な展開であった。
のび太の世話を毎日しなければならないドラえもんに、のび太は一日の休日をあげる。喜ぶドラえもんだが、心配になって有事の連絡用に「呼びつけブザー」を渡す。のび太は数々の危機に直面しつつも、休日を満喫しているドラえもんを思い、ブザーを押さない。
この話ではジャイアンとスネ夫がいい。最初、ジャイアンとスネ夫は、のび太にブザーを押させようと意地悪をする。この時点では「ドラえもん」でパターン化された悪役を演じている。リメイクされた今回の放送では二人の表情が、これまで以上に悪役然としている。
しかし、ドラえもんを大切に思う、のび太の行動に心を打たれた二人は、のび太を助けることになる。「ジャイアンは映画では良い奴になる」と言われるが、映画でなくても良いジャイアンが見られる作品である。
また、この作品ではスネ夫もカッコいい。ジャイアンと違ってスネ夫は強くない。だから、正直なところ、のび太を助けに行くのは怖い。それでも勇気を出してジャイアンと一緒に前に進む。アニメではスネ夫の声が震えており、原作以上にスネ夫の葛藤を巧みに表現している。
スネ夫は主要メンバーの中では影が薄く、家が金持ちという属性が通用しない映画の世界などでは良いところが全くないこともある存在である。故に普通人の意識の代弁者とも位置付けられる。そのスネ夫が勇気を出して行動したことには重みがある。
原作では帰宅したドラえもんに、のび太が「何事もなかった」と答えて終わる。このさり気なさが感動を引き締める。原作の「ドラえもん」には教訓的な話が非常に多いが、それを引っ張りすぎないために決して説教臭くなることはない。この点に「ドラえもん」をあくまで娯楽作品として描こうとした作者・藤子・F・不二雄の秀逸さが感じられる。
一方、リメイクされた今回のアニメでは次週9月5日に放送される「ドラえもん誕生日スペシャル」へとつながる終わり方となっている(ちなみにドラえもんの誕生日は9月3日である)。一話完結で感動の余韻を残す原作とは一味異なる終わらせ方である。来週の展開も楽しみである。
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