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岸本斉史『NARUTO―ナルト―』は週刊少年ジャンプで連載中の忍者アクション漫画の単行本である。木ノ葉隠れの里の忍者・うずまきナルトらの戦いと成長を描く。ナルトの夢は歴代の勇者、火影の名を受けついで、先代を超える忍者になることである。偉大な師あり、修行ありの少年漫画の王道を進む作品である。

岸本斉史『NARUTO―ナルト― 59』(集英社、2011年2月3日発売)は忍連合と暁が激突する忍界大戦の続きである。先代水影と我愛羅の戦いで幕を開ける。先代水影に絶対防御を破られた我愛羅。オオノキとの連係で攻め返すが、水影の忍術・蒸危暴威で追いこまれる。分身を各戦場に拡散していたナルトの本体は遂にマダラに迫る。

圧巻は五影の勢揃いである。保守的な考えを代表していた土影オオノキの改心と覚悟が見所である。忍界大戦では五大国の忍者が連合して戦うために新キャラクターが続々と登場する。敵側も死者を操る術を使うために過去の英雄が次々と登場する。

これは物語の構成としては難しいところがある。読者に馴染みのないキャラクター同士が並行して戦いを展開するからである。読者が飽きるグダグタの展開に陥りがちである。それでもナルトはキャラクターとストーリーを巧みに絡ませて、読者を惹き込んでいる。オオノキの若い頃のマダラとのエピソードが印象的であった。

『NARUTO―ナルト― 60』(集英社、2012年)はナルトとビー、仮面の男と尾獣の戦いがメインである。表紙に描かれているように尾獣が勢揃いする。尾獣に名前を教えられるナルトと、名前もないという敵が対比的に描かれる。一般に敵の名前を明かさないという設定は敵の底知れなさを演出する効果がある。それに加えて『NARUTO』では名前で呼ぶことで絆を示し、名前がない敵とすることで悪の属性を強めている。

名前を呼ぶことは重要な要素である。東急不動産だまし売り裁判では東急リバブルがマンション購入者・林田力の名前を間違って呼んでいた事実が立証された(甲第44号証、甲第58号証「原告陳述書(三)」)。不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急リバブル東急不動産は批判されるが、消費者の名前を間違えるところにも不誠実な体質が現れている。その名前の持つ力を『NARUTO』も描いている。
http://www12.atpages.jp/~hayariki/haya/5/17.htm
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