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マンション投資のFJネクストの迷惑勧誘電話被害を取り上げます。
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天王寺大著、渡辺みちお画『白竜HADOU(4)』(ニチブンコミックス、2017年)は「暴力市場」編が完結し、「神の調合師」編が始まる。「暴力市場」編は中央卸売市場の豊洲移転が下敷きになる。本作品での市場移転先は豊波である。盛り土がなされていないなど現実とリンクしている。
『白竜』は暴力団による東急電鉄株買い占めなど現実の事件を下敷きにすることが多い(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。但し、今回の話で登場する東京都知事は男性であり、小池百合子知事がモデルではない。石原慎太郎や内田ドン的な利権政治家である。小池百合子東京都知事は白竜の世界でもヒールにはなりにくいだろう。
恐ろしい点は市場移転の狙いである。汚染地に移転することで継続的に汚染対策の追加工事が必要になる。それによって建設業者は継続的に受注し、利益を得る。箱モノの建設では最初に建設すれば終わりであるが、汚染対策は継続的な利権になる。土建国家の恐ろしさを感じた。
「食品を扱う市場に安心安全を確保する」とのスローガンが追加工事を正当化し、土建利権を太らせる。現実の移転反対派は土壌汚染の問題を声高に叫び、風評被害さえ起こしているが、本書の設定では、それも追加工事の追い風になり、土建利権に踊らせている結果になる。
興味深いことで本書の設定では盛り土がなされていたならば汚染物質が上がってくることはなく、汚染対策は問題なかったとする。それでは追加工事はなされず、土建利権にとって旨みがないために、あえて盛り土を行わなかった。
現実の移転賛成派は盛り土がなされない事実が判明されたら、盛り土がなくても安全と主張した。逆に伝統的な移転反対派は元来の盛り土の対策をした移転案の時点で反対しており、盛り土がなされないから駄目という論理ではない。どちらも盛り土は本質的な問題ではなくなるが、本書では重要な対策になっている。
「神の調合師」編は日本人技術者の海外企業への引き抜きである。白竜は韓国企業のエージェントとなり、引き抜きを進める側で動く。日本人技術者の海外企業への流出は「国益」という観点では好ましくないとされるが、個々の技術者にとって何が幸福かが重要である。滅私奉公を要求するようなものであってはならない。白竜はシノギのために行動するが、正義感を持っており、巨悪を叩く結果になることが本作品の魅力である。海外企業への引き抜きと正義感がどのように両立するか注目である。
本書の韓国企業は明らかにサムスンをモデルとしているが、白竜に対して真摯に対応している。これまでの話で多くの日本企業の経営者が白竜に無礼な態度をとったこととは対照的である。白竜に無礼な態度をとり、痛い目に遭った経営者もいる。また、本書の韓国企業は日本市場の官僚主導体質も批判している。この点も引き抜きに感情移入したくなる。
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